【専門家が監修】腰痛研究室~治し方・改善・薬・サプリ

腰痛の症状や原因、治し方、薬、サプリなど腰痛専門家の整体師監修でわかりやすくお届けしています。

ヘルニア

ヘルニアの高位診断で確認するポイント【身体所見・神経学的所見】

更新日:

病院に行ったら椎間板ヘルニアと言われたという人は、腰痛を抱えている人の中でも珍しくないかと思います。腰痛は多くの人が経験している症状であり、ヘルニアや坐骨神経痛という言葉もよく知られているところですね。椎間板ヘルニアでは、神経に障害の起こっている部位を特定することが重要になります。

 

そのために行われるのが高位診断であり、高位とは腰椎の何番目かということです。神経支配の特徴をもとに行われる高位診断ですが、自身でも症状をもとに推測することができます。病態や自身の症状を正しく理解することが改善へとつながっていくので、参考にしてみると良いでしょう。今回は腰椎椎間板ヘルニアの高位診断について、その概要や検査内容を紹介していきます。

ヘルニアの高位診断

まずはじめに、ヘルニアの高位診断の概要についてみてきましょう。腰椎椎間板ヘルニアで重要となるポイントがあります。

本当にヘルニアと関連する症状か

実はヘルニアや脊椎の変形と症状の有無には相関がないことがわかっています。症状を呈していない人の中にも、ヘルニアや変形が起こっているという人はいるということです。画像検査によってヘルニアや変形が認められても、その症状が必ずしも画像所見通りに起こっているとは限らないということですね。

 

そこで重要になってくるのが身体所見など他の所見であり、感覚テストや筋力テスト、神経学的テストなどが行われます。これらについて詳しくは後述していきます。ガイドラインでは安易な画像検査は推奨されておらず、これらの所見が揃って特異的腰痛が疑われた場合に撮影することが推奨されています。しかし、先に画像所見をとって後からその他の所見がとられるということもまだまだ多いようです。

整体師
被曝などの患者の負担や保険診療の問題など、ガイドラインと現実はまだまだ一致していないとも言われています。

 

ヘルニアについては、下記も参考にしてみてください。

ヘルニアとは?原因・症状・治療・注意点まとめ

みなさんはヘルニアと聞くと何を思い浮かべますか?腰痛を引き起こす疾患であったり、手術が必要な場合もあるというイメージでし ...

続きを見る

腰椎と神経

脊髄から順に神経が枝分かれしていることは知られていますが、それぞれの脊椎の間から神経が伸びていきます。ヘルニアに関しては、腰椎の3番目と4番目から出ていくL4神経根、腰椎の4番目と5番目から出ていくL5神経根、腰椎の5番目と仙骨の間から出ていくS1神経根がメインとなります。それぞれの神経根が末梢で支配している領域があり、それらを参考に所見をとっていくということですね。

トリガーポイントに注意

ヘルニアによって神経の圧迫がある場合には、症状として坐骨神経痛も起こります。坐骨神経の領域に症状が出ることの総称が坐骨神経痛ですが、これと同じような症状を呈するものに小臀筋のトリガーポイントが挙げられています。離れた部位に症状を起こすのがトリガーポイントの特徴でもありますが、その症状の領域は酷似しています。

整体師
実際に坐骨神経痛とトリガーポイントが誤診されることも多いようなので、知っておいた方が良いことでしょう。トリガーポイントについては下記も参考にしてみてください。
トリガーポイントって何?基本の3点を理解して腰痛を劇的改善しよう

腰痛の原因や治療について、トリガーポイントという言葉を聞いたことがあるという人はどのくらいいるでしょうか。セルフケアの方 ...

続きを見る

身体所見①感覚

高位診断のために確認されることとしてまず最初に挙げるのは、皮膚の感覚です。デルマトームという言葉を聞いたことがあるでしょうか。脊髄から枝分かれしていくそれぞれの神経に固有の支配領域があります。生体内では厳密に区切られているわけではなく重なっている部分もありますが、症状を参考に責任椎間高位をたどることができます。

L4神経根

腰椎の3番目と4番目の間から出ているL4神経根は、末梢では膝の内側の感覚を支配しています。膝の内側に違和感を感じたり、触った感覚が弱いもしくはないなどが確認できれば、L4神経根が疑われます。

L5神経根

腰椎の4番目と5番目の間から出ているL5神経根は、末梢ではスネの外側から親指にかけてクロスするようなラインを支配しています。膝の外側やや下の部分からスネを内側にクロスしていき、親指や人差し指に至るラインです。この領域に違和感を感じたり、触った感覚が弱いもしくはないなどが確認できれば、L5神経根が疑われます。

S1神経根

腰椎の5番目と仙骨の間から出ているS1神経根は、末梢では足の小指側から外くるぶしの下あたり、そして足裏の外側半分を支配しています。この領域に違和感を感じたり、触った感覚が弱いもしくはないなどが確認できれば、S1神経根が疑われます。

身体所見②筋力

高位診断のために確認されることとして次に挙げるのは、筋力です。上述した皮膚の範囲のように、筋肉もそれぞれ何番目の神経が支配しているかがわかっています。それらを参考に、責任椎間高位をたどることができます。

L4神経根

L4神経根の支配する筋肉と言えば大腿四頭筋で、とてもメジャーです。ももの前側の大きな筋肉ですね。末梢の腱にはお皿が包まれており、スムーズに膝を動かすために存在しています。そこから頭が4つに分かれているので、四頭筋です。

 

主に膝を伸ばすときにはたらき、4頭のうちの1つである大腿直筋は股関節の屈曲にもはたらきます。日常生活で膝を伸ばしにくくなっていたり、大腿四頭筋の筋力テストを行って弱化がみられる場合には、L4神経根が疑われます。

L5神経根

L5神経根の支配する筋肉は足部の伸筋であり、つま先を上げる筋肉です。前脛骨筋というスネの筋肉や、長母趾伸筋・長趾伸筋といった指を反らす筋肉が挙げられます。日常生活でよくつま先が引っかかるようになっていたり、踵歩きができないようであればL5神経根が疑われます。

S1神経根

S1神経根の支配する筋肉は足部の屈筋であり、踵を持ち上げる筋肉です。腓腹筋・ヒラメ筋といったふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋や、長母趾屈筋・長趾屈筋といった指を曲げる筋肉が挙げられます。つま先立ちができない場合にはS1神経根が疑われます。

神経学的所見

高位診断のために確認されることとしては、神経学的所見も重要です。反射テストや神経伸張テストを行い、さらに責任椎間高位を推測します。ここまでの所見と画像所見を合わせて総合的に判断されることがガイドラインでも推奨されているということです。

反射

下肢の反射には2つあり、膝蓋腱反射とアキレス腱反射があります。膝蓋腱反射はやったことがある人も多いのではないでしょうか。足を組んで上になった方のお皿の下を叩くと足がピクンと反応しますね。アキレス腱反射の場合は足がピンと伸びる方向に反射が起こります。

 

神経根の圧迫ではこれらが減弱します。膝蓋腱反射ではL4神経根が、アキレス腱反射ではS1神経根が疑われ、それぞれの所見で高位を判断するということです。ちなみに脊髄での圧迫ではどちらも亢進するので鑑別に役立ちます。

神経伸張テスト

神経伸張テストと言うと専門的に聞こえるかもしれませんが、SLRテストは経験したことがある人も多いかと思います。仰向けに寝て膝を伸ばしたまま下肢を挙げていくというテストです。可動域を一緒にみたり、症状が再現されるかどうかを確認します。つま先をスネに近づけるようにしてより神経へのテンションを高める方法もあります。

 

SLRテストはL5神経根もしくはS1神経根が疑われます。L4神経根の場合は、うつ伏せに寝て膝を曲げ、その膝を持ち上げるという方法で行われます。大腿神経伸張テストと呼ばれ、可動域や症状の再現を確認します。

まとめ

今回は腰椎椎間板ヘルニアの高位診断について、その概要や検査内容を紹介してきましたがいかがでしたか?感覚や筋力などの身体所見は自身でも確認できますね。トリガーポイントとの鑑別も重要なので、参考にしてもらうと良いでしょう。本当に必要のある場合にのみ手術を受けるということで、自身でも知識はもっていたいものですね。

-ヘルニア
-, ,

Copyright© 【専門家が監修】腰痛研究室~治し方・改善・薬・サプリ , 2019 All Rights Reserved.